lesson6:恋慕の代償(7)

「ああああああっ……」
 快感の程度がすさまじくて、犬であることを忘れる。女として声をあげてしまって、また成宮からお仕置きが飛んだ。
 ピシャン。ピシャン。
「はあああっ……」
 膣に入れられて、尻を叩かれて。こんなに気持ちのいいことがあるだろうか。身体が揺れる度に、縄が身体に食い込んで気持ちいい。成宮に、がんじがらめにされている。逃げられない。全てを、この人に預けている私は、とても幸せだった。
「叩かれて感じて。いけない奴隷だ。お仕置きになりませんよ、これでは」
「ああっ、だって、気持ち、いいっ……」
 きゅんきゅんと締まる膣に、出入りする指。それから、撫でられ、叩かれる度に快感として変換する私の脳。何か、が狂ってきている?それとも、これが、本当の……
「……いってはいけませんよ、命令です」
「う、ううっ」
「返事は?返事をしなさい」
 ぐい、と首に掛けられた縄を持ち上げ、絞められる。苦しくて、苦しくて、でももう少しだけ、この快感を貪りたくて、私は我慢する。返事をしたい、けど、このままも気持ちがいい……
「……首を絞められて感じて……はしたない、この、淫乱」
 ああ、どうしよう。詰られて、叱られて。気持ちがよくていってしまいそうだ。首を絞められるってこんなにも気持ちがいいのか……
「もう少しお仕置きが必要そうだ」
 途端に首の縄を緩められる。げほっ、げほっ、と咳き込んで、私はぐったりと床に潰れた。
 今度はぐい、と首の縄を掴まれて、成宮の顔が近づく。ゆっくりと見ると、成宮が苦しそうに自分を見ているのが分かった。
「……もう少し絞めていたらいっていましたね。駄目ですよ、まだ、いっては。僕のこれでいくんですから」
 目の前にあの、凶悪なそれがせり出ている。ぎっちりとデニムのジッパーから出て、主張していた。このまえより、うんと大きく見える。これが、これが欲しかった……
 そっと舌を出すと、くす、と成宮が笑う。成宮の鼓動に合わせてどきんどきんと揺れているそれ。早く口に含みたい。早く、味わいたい……
 舌が触れそうになるところで、成宮は首の縄をグイ、と引っ張った。
「はしたない犬。ご主人様がいいと言うまで、お預けです。自分で、自分の気持ちいいところを触りなさい。そうしたら、咥えさせてやってもいい」
 自分で、する……?そうしたら、咥えさせてもらえるのか。何でもする、そうしてもらえるなら……
 ゆっくりと、反り立った凶悪なそれを見ながら、自分のそこを触り始める。縄で繋がれた手は、とても不自由で、またそれが興奮を助長する。いつも、自分でするときとは比べものにならないくらい、腫れあがったそれ。短い陰毛の隙間からせり出し、ぷりぷりと主張して、大きく三角形に反り立っていた。
「ああ、とてもいいですね……我慢して、僕に服従している貴女は……たまらない」
 そう言うと、成宮は自分をしごき始める。吐息を吐きながらそうしている様が、たまらなく愛おしくて自分も高まる。触れて欲しいのに、その人の前で自慰をするという恥辱。見られている、そしてそれを見て、自分も気持ちがいい、だなんて。
「ふふ……すごく腫れあがっている。僕のこれが欲しいのですか、わんちゃん?」
 わん、と答えて、床に尻をついて脚を拡げる。丸見えとなったそこを見せつけて、成宮の欲をかきたててやろう、そう思った。
 指を入れようとすると、成宮がじっと睨む。駄目だと、目で訴えている。それをしたい。けれどもそれをしたら……次はどんなお仕置きという名の快感が、待っているのだろう。
「指を入れたら、今日はこれを入れませんよ。いいのですか」
 躊躇する。だめだ、入れてしまったらご褒美は無くなる。あの大きな針を、根元まで差し込まれる快感が欲しい。そのためには、私は犬にでも、何にでもなる。
「おねがいっ……します、もう……何でもします、なんでも……ご主人様の言うとおりにします、だから、もう」
 懇願すると、成宮はふう、とため息をついた。冷たく見つめるその瞳が、実は熱く燃えているのが分かった。怒りなのか、慕情なのか。その感情の複雑なことまで、私の心の中に流れ込んできそうだった。
「自分からお強請りする悪い子は、お仕置きです。よく、覚えておくんですね」
 楽しそうに笑って、成宮は、その凶悪な針を私の口の中に突っ込む。いきなり喉の奥にまで到達して、その存在感を主張する。ああ、嬉しい。これが欲しかった。成宮の味がする。我慢したその、零れた体液まで喉の奥に飲み込み、幸せに打ち震える。すごい。咥えているだけでいってしまうかもしれない。
「ああ、こんなに……吸い付くほど欲しかったのですか、可愛い子……僕の、僕だけの犬、いずみさん」
 優しく紙の毛を撫でられて、最大限それを吸う。吸引して、舌を沿わして。喉の奥を締めて、成宮が気持ちいいだろうと思うことを全て織り込む。すると、成宮も容赦無く打ち付けてきた。私の髪の毛を掴んで、喉の奥へとそれを侵入させる。そして、その最奥で止まった。苦しくて、でも嬉しくて失神しそうだ。じわっと、下から何かが漏れるのが分かる。ぽたっ、ぽたぽたと水の音がする。
「ほら……気持ちよくて、漏れてますよ。酷くされるのが好きなんですね……優秀ですよ、貴女は。優秀な、僕の犬……」
 褒められて、もう何もできない。苦しいのに、そこから逃れられない。その気持ちよさがある。
 完全に、私は成宮の奴隷だ。
 それがこんなにも嬉しいなんて。
「このまま、僕の精を飲ませても良いですが……もっと欲しい場所がありますか、僕のこれ」
 コクコクと頷く。最奥に突っ込まれたままで、硬く主張するそれを舌で上下して、私は必死に彼を見上げた。
「……どこに、入れたいですか」
「あ……」
 膣に欲しい。欲しい。これで貫かれたら、どんなに……もう、死んでもいい。
「中に、下さい、お願いします」
「中、というのは……」
「子宮に、注いで欲しい、お願いです」